簡単気軽にエンジョイライフ~いくつになっても若葉であれ、蕾であれ#20



槿
この夏頑張った子たち−星を抱えたムクゲの蕾

空の突き抜けるような青さや、朝の風、夜の静かさが夏のものとは明らかに違ってきましたね。猛暑日に熱帯夜、台風を耐えてきたベランダの花や緑も、ようやく一息といった顔を見せ始めました。

 

 夏の間、私に元気をくれたのは、濃い紫のデュランタの花やきりりと白い桔梗ももちろんですが、「ちゃんと元気でいるよ」と信号を送ってくれるバラの若葉、明日か明後日の朝を楽しみにさせてくれる朝顔の蕾、くっきりとした星の形を見せてくれるムクゲの蕾などでした。いい具合に咲いた花もさることながら、新芽や若葉、蕾などが、私は大好きなんです。不完全、半人前は承知のうえ、それでも新しいことへのワクワクをみなぎらせた姿に、人生折り返し地点をとっくに過ぎた私でさえ、力と勇気をもらえるのですもの。

薔薇の葉
この夏頑張った子たち−柔らかなバラの葉の赤ちゃん

 思えば、年を重ねるごとに「安全第一」とばかりに冒険、挑戦することに、二の足を踏むようになりました。「無理に頑張らない」「自然体が一番」と、このコラムでも何回も書いてきました。でも、だからと言って新しい可能性に向かおうともせず、何でも楽な方に流れてしまうのはよくないなぁ、とも思うのです。「無理は禁物。でも、きれいな花を咲かせるには、ぐっと我慢したり頑張ったりするのも必要だよね」と、猛暑のなかの若葉や蕾が教えてくれたようです。

朝顔の蕾
この夏頑張った子たち−いつ咲こうか思案中の朝顔の蕾

 たまに新しい仕事の話が降ってきます。ありがたいことではあるのですが、「やったことないけど…、大丈夫かな」「このスケジュール、別の件と重なるこの頃がえらくタイトになりそうだけれど、乗り切れるかな」と、あれこれとネガティブな材料を探して、及び腰になってしまうこともしばしば。

 





 でも、仕事はいただいてなんぼ、声をかけてもらううちが華、と覚悟をきめて、えいやっ!と始めてみれば、まぁ大抵は「やってよかった」ということになります。慣れないせいでダンドリがうまく組めなかったり、時間が押せ押せになったりして、時には「やっぱり私にはハードルが高かったかなぁ」という考えが頭をよぎることもあるのですが、最後は「やってよかった」に落ち着くものです(生来のお気楽な性格が大きく影響しているのかもしれませんが)。出来栄えはどうであれ、一度やってしまえばそれを経験にすることができます。失敗したところはそれなりに次の改善点の材料に、うまくいったところは「次はこの点をもっと生かしてみよう」とレベルアップのチャンスに。

この夏頑張った子たち-やる気満々の八重咲きコスモスの新芽
この夏頑張った子たち-やる気満々の八重咲きコスモスの新芽

 もし、新しい仕事を断っていれば、たとえ同じような申し出がまたあったとしても「できるかな? 大丈夫かな? できないかも」の堂々巡りを繰り返すだけで、何も自分の栄養にはならない。いつでも、若葉、蕾のつもりで頑張ってみれば、まだまだ私だって花を咲かせることができるかも。「最初から大輪の花なんてあり得ないよ。みんな、最初は若葉や蕾。そのつもりで頑張れば大丈夫さ」。夏の花や緑が教えてくれたことでした。

桔梗の若葉
この夏頑張った子たち−雨上がりの桔梗の若葉

 どうぞ、新しいこと、未知への挑戦にトライしてみてください。ほんのちょっとしたことでいいんです。初めての料理に挑戦してみる。興味はあるのだけれど、難しそうで尻込みしていた本をとにかく読み始めてみる。「ありがとう」を意味する外国語を10ケ覚えてみる。なんでもOK。始めてみれば、きっとそのうち花が咲きます。

「文筆屋」 大武 美和子

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