簡単気軽にエンジョイライフ~こだわるけれども縛られない#26



 最近、赤い小物をたて続けにプレゼントしました。私も還暦、友だちも還暦。赤い小物のお年頃なものですから。最新の贈り物に選んだのは、切子細工を施した赤いお箸と朱塗りのスプーンの組み合わせでした。

 

 実は、お箸を贈るのはちょっと迷ったのです。恐らくほとんどの方がそうだと思うのですが、食事に使うお箸、ご飯茶碗、湯呑などは、「いつものこれ」が決まっていますから。日本の食習慣に見られるそれぞれ固有のお箸やご飯茶碗などは、特定の人に属するという意味で「属人器」と言われます。この属人器の風習はどうやら奈良時代から見られるらしく、とても古い歴史があるのですね。(縄文時代から使われていたという説もありますが、確証はないそうです)

 

 ナイフやフォークは家族共通でも、お箸やご飯茶碗、お湯呑みなどは、それぞれの「これ」が決まっているというのが、ごく普通だと思います。私もそうなのですが、ご飯茶碗はその日によって、何種類かを使い分けます。その時々の気分で色や柄を選んだり、せっかくのグリーンピースご飯なので、友だちからもらったお茶椀にしようと思ったり。それぞれ、微妙に大きさも違うので、お腹のすき具合によってご飯の量を調節する、といった目的もあります。湯呑なら、季節によって、また飲むお茶の種類によって使い分けている方も多いかもしれませんね。

 





 お箸はそれでもほぼ一種類を後生大事に使い続けているのですが、きれいな切子細工を施したお箸を見て、「そうだ、お箸だってその時々で着替えていいわけだわ」と思った次第です。

 

 誰しも、「お気に入りのこれ」「絶対これでないと」というこだわりを持っているものです。こだわるのもステキなのですが、時にはこだわりに縛られずに、季節や気持ちに応じて着替える、違うスイッチを入れてみるのもステキ。などと考えていたら、あの切子のお箸、自分用にも欲しくなってきました。

「文筆屋」 大武 美和子

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