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ハーブ(薬草)の名前
ハーブ(薬草)は、名前がいろいろあり、ややこしく、わかりにくいものが実はたくさんあります(と思います)。どうでもいいといえばどうでもいいのかもしれないのですが、しかし、使用する場合は違うハーブだと困りますし、もっと困るのは自分で栽培して使用したい場合に、間違ったら大変なことになるので、ここはめんどうでも慎重に、知っておいた方がいいと思います。ハーブの名前は、そのワールドワイドさにも原因があるかもしれなくて(全世界でなにかしら利用されることが多い、広まることが多いなど:英名、仏名、和名、中国名などなど)、そして、前述のように実用しますので、学名を知っておく必要があり、また通名があり(民間療法として親しまれてきたので)、さらに、同じハーブでも呼び名が違うなどもあります。
それらを、全部知っておく必要はもちろんないのですが、これはいったい、、、と思うような名前がときどきあります。
レモンバーベナとバーベイン
今回は、名前がなんとなく似ていて、ハーブとしてもちょっとわかりにくくてごっちゃになりやすい「レモンバーベナ」と「バーベイン(ヴァーベイン)」についてです。また、それにそっくりな名前のバーベナについても書いてみたいと思います。
レモンバーベナが、一般的にハーブティーになる方です。レモンのような独特の香りのあるクルクルッとした緑の細長い葉です。低めの木で良い香りが漂います。和名でコウスイボクという呼び名が古くは一般的かもしれません。
どちらもクマツヅラ科です。
ところで、和名でクマツヅラというハーブはクマツヅラ科のクマツヅラに使われていてややこしいのです。
ヴァーベインというとクマツヅラ、レモンバーベナもクマツヅラという和名で使われます。
しかしこれはぜんぜん違うハーブなので(同じクマツヅラ科ですが)ご注意ください。
クマツヅラ科では、大きく分けてオフィシナル種とシトロネル種があり、バーベナ(ベルベーヌ)はシトロネル種、ヴァーベインはオフィシナル種です。一般的に(特にフランスでは)クマツヅラ、ベルベーヌというとシトロネル種の方をいいます。
ヴァーベインは別名がバベンソウといいますので、これで判別するかまたは学名が確実です。クマツヅラという文字はどこにでも出てくるのでむしろ考えない方がいいかもしれないくらいです。(文字だけの場合など)
両方ともハーブとはいえ、レモンバーベナとヴァーベインは効能がまったく違いますので、注意してくださいね。
また、そっくりな名前で、バーベナという品種があります。これは最後にご紹介していますが、園芸種です。
レモンバーベナ(ベルベーヌ)とバーベイン(ヴァーベイン)とバーベナ
●レモンバーベナ、ベルベーヌ(ヴェルベーヌ)は、ハーブ
クマツヅラ科落葉低木
学名:Aloysia citrodora
和名:香水木(コウスイボク)、防臭木(ボウシュウボク)(シノニム:Aloysia triphylla)
鎮静作用があるので、うつ・神経衰弱・落ち込みなどに良いとされています。
また反対に滋養強壮作用も併せ持ち精神的ストレス・過労にも良いと言われています。
偏頭痛・消化作用・胃けいれん・心悸亢進・ぜんそく・不眠症などにも有効とされています。
気管支炎にもよいと言われています。確かにカゼでのどが苦しいときに落ち着くというか、穏やかでさわやかですのでおすすめです。
鎮痛作用や抗ウィルス作用などもいわれています。生理痛や頭痛、時に関節炎などにも良いでしょう。
わたしが重宝してよく使用するハーブです。安心で、穏やかでそれでいてストレスや緊張の鎮静に向いているので、調子が悪い、といったような疲れのときにもいいし、ストレスで心が落ち着かないといったときにもいいしで、わりと万能のハーブに近い感じです。味わいが独特で、最初の印象とはうらはらにあるときいきなり「おいしい」とはまり出す風味です。はまると、このハーブのみでシングルで飲みたいと思わせる特徴があります。ドライハーブと生のハーブではお茶の味わいがすごく(わたしには)違うと感じられるので、ぜひ両方を飲んでみていただきたいです。
フランスでは、日本の日本茶のように親しまれ飲まれているハーブティー(ティザーヌ)だそうで、わかる気がします。また上記のようにゆったりリラックスして飲む感じの効果効能、風味なので、イブニングティーとして愛飲されているそうです。
●バーベイン(ヴァーベイン、バーベナ)、クマツヅラもハーブ
学名: Verbena officinalis
クマツヅラ科クマツヅラ属(バーベナ属)多年草
和名:クマツヅラ(熊葛)、バベンソウ(馬鞭草)
別名:pigeon grass(鳩の草)、pigeon meat(鳩の餌)
強壮作用があります。ノイローゼ・不眠症など。また解熱作用、浄化作用など。痛風・リウマチ・熱病・神経性の頭痛などにも有効とされています。中国では、通経、黄疸、下痢に用いられます。生薬の名前はバベンソウです。日本では、クマツヅラ。
また口腔内の抗炎症、呼吸器のトラブルにも用いられるようですが、こちらはお茶としてはそんなに一般的ではないと思います。
皮膚病や腫れ物などに煎じたエキスを塗ったようです。
●バーベナ(ヴァーベナ)は園芸種
学名:vervena
クマツヅラ科クマツヅラ属
和名:ビジョザクラ(美女桜)
約250種あるバーベナの総称で、日本ではクマツヅラ学名:Verbena officinalisと呼ばれる品種が自生している。
これは、写真のように芝桜に似ていて、多年草ですが、耐寒性が弱いので、ほぼ一年草の園芸種です。ハーブではありません。
もしも、これを薬用に使用することをご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。