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自律神経の不調にハーブを使う
自律神経の調子が悪くなることから来る体調不良、気分障害にはリラックスすることが大切。生活習慣を見直して規則正しくすることももちろんですが、それだけで簡単に治るものでもない場合が多くありますね。
長い間に蓄積されたストレスや疲労、精神的な負荷は気がつかないことも多くていつのまにか体調が悪くなっているということも少なくありません。
お医者さんへ行くほどではないけれど、疲れを取り除いてリラックスすることにつとめたいと思っている場合に。
今回は、自律神経をリラックスさせてバランスを整え体調不良を改善させるのに有効だと思われるハーブをご紹介しましょう。ただし、あくまでご参考ですので、ご利用の場合はご自身の判断で慎重に行ってください。
この分野のハーブは選び方や組み合わせが難しいものが少しありますので、今後追記していきたいと思います。
以下、一応挙げますが、「要注意ハーブ」も多くそれらのことも書いていきたいと思います。
(★のハーブは特に要注意ハーブ)
ハーブは薬草です。特にほかの鎮静剤・自律神経系のお薬を服用しているときには必ず医師に相談しましょう。(勝手に治そうとしないことです)
●オレンジフラワー
(Orange Flower)学名 Citrus spp.
和名ミカン・ダイダイ。鎮痛作用。とても良いおだやかで良い香りの鎮静剤として有名。不安神経症、恐怖症、心悸亢進、不眠、ノイローゼ、ヒステリーなどによいと言われています。更年期障害・自律神経系によいされています。エキスはネロリという製油。
●オリーブ

(Olive Leaf)学名 Olea suropaea
鎮静作用・解熱作用があると言われています。妊娠中は避けた方がよいと思います。
●セントジョーンズワート
(St.John’s Wort)学名 Hypericum perforatum
「アルツハイマー症、二極性障害、抑うつ、統合失調症の患者において、また麻酔下ではセイヨウオトギリソウ摂取が影響を与えることがある。」
「人によって、不眠、落ち着きのなさ、不安、動揺、いらつき、胃腸の不快感、疲 労感、口渇、めまい、頭痛、皮膚のかゆみ、錯覚、遅延性過敏反応などの副作用が 見られる場合がある。」(以上「」内の2件は厚生省より)
一緒に服用すると効果が減少する薬があります。また睡眠薬との併用もだめな場合があります。なにかお薬を服用している場合は医師に必ず相談してください。妊娠中・授乳中はダメ。
●ラベンダー
(Lavender)学名 Lavandula officinalis
安心、安全で(ただし妊娠中の大量摂取はダメ)手に入りやすくおいしいとても手軽な親しみやすい万能ハーブ。神経の疲れを取り、イライラを沈め、ゆったりとした気分になります。その上、リラックスして集中力を高める効果があると言われます。ただし、妊娠中にガバガバ大量に飲むのはダメです。
●リンデン
(Linden flower&leaf)学名 Tilia cordata
セイヨウボダイジュのこと。葉っぱと木の部分(白木)では作用が違うので要注意。花と葉に鎮静作用の成分があるので不眠症・偏頭痛・精神疲労などに効果があると言われています。木質部分は腎臓の働きに良いと言われ、からだにたまった老廃物を排出させるのに効果があると言われています。腎臓結石・リウマチ・痛風などにも。
●カモミール
(Camomile German)学名 Matricaria recutita
ジャーマンカモミールが一般的。ローマンカモミールはポンポンのような八重咲きのかわいいお花で少し作用がおだやか。高価ですが、こちらは香りもおだやかで飲みやすくおすすめです。ただし、妊娠中にガバガバ大量に飲むのはダメです。
●ネトル
(Nettle)学名 Urtica dioica
葉っぱと根っこと両方使いますが、根っこの方が作用が強力。なのでリーフとルートを混ぜて使うか、初めはリーフからというのがいいかもしれません。様子をみながら。
●レディースマントル
(Lady’s Mantle)学名 Alchemilla vulgaris
和名ハゴロモグサ。「女性によいハーブ」と言われています。妊娠中はダメ。
●セージ
(Sage)学名 Salvia officinalis
鎮静作用。偏頭痛・イライラにも。てんかんの持病がある方はお避けください。妊娠中は避けた方がよいと思います。
●セボリー
(Savory)学名 Satureja
セボリーは地中海沿岸原産のシソ科のハーブ。別名セイボリー、セーボリー。和名はキダチハッカ。ウインターセボリーとサマーセボリーがある。ウインターセボリーは耐寒性の多年草で、サマーセボリーは一年草です。ちょっとした興奮作用があり、消化促進・腸内ガスの発生を抑える作用もあります。元気が出るハーブ。妊娠中は避けた方がよいと思います。
●ストロベリーリーフ
(Strawberry Leaf) 学名 Fragaria vesca
ワイルドストロベリーとも言います。和名はエゾヘビイチゴ。リラックス効果。胃腸を整える効果があり、神経性の下痢・胃炎などにもおすすめ。食欲のない時にも。内臓全体におだやかに働きかけて整えてくれます。おなかが冷えているときには消化不良の原因になる場合がありますので避けた方がよいと思います。
●チェストベリー
(Chasteberry) 学名 Vitex agnus-castus
チェストツリー。和名はセイヨウニンジンボク。女性におすすめのハーブ。PMS(月経前症候群)・更年期症状に良いとされています。妊娠中は控えるか必ず医師に相談を。ホルモンのバランスを整えると言われています。母乳の出をよくすると言われています。
●ホーソンベリー
(Hauthorn Berry)学名 Crataegus oxycantha
和名はセイヨウサンザシ。の実です。循環器全般によく、強くしていきます。不整脈・高血圧、心不全、狭心症など。心臓疾患のある方は医師のアドバイスを受けてからにしてください。自律神経の不調でドキドキがある場合などにおすすめです。神経の鎮静に効果があるので、疲れやすい、元気がない、不眠、めまい、息切れ、動機、耳鳴りなどで神経が過敏になっている場合によいとされています。
●パッションフラワー
(Passion Flower)学名 Passiflora incarnta
別名トケイソウ(時計草)。「天然の鎮静剤」と言われる強い鎮静作用があり、欧米のナチュラリストなどの間でかなり人気のハーブです。眠気が強く出る場合があるのと、他の鎮静剤・精神安定剤を服用の場合は避けた方がいいでしょう。医師にかかっている人も要相談のハーブです。車の運転も避けましょう。できればほかのハーブで代用できるので、もっとおだやかな効き目のものの方がいいような気がします。妊娠中は禁忌です。
同じようなハーブに★ブラックコホシュがありますが、こちらは副作用が多数報告されておりおすすめしていません。厚生省でも、妊娠中・授乳中はおそらく危険と思われるため使用すべきでないと警告されています。
以下厚生省の情報より。
「肝毒性の可能性が懸念。
海外ではブラックコホシュ摂取との関連が疑われる肝障害の事例報告が多数あります。
欧州医薬品局(EMEA)のハーブ医薬品に関する委員会(HMPC)、英国医薬品(MHRA)、フランス食品安全庁(AFSSA)、フィンランド食品安全局は、製品への警告表示の追加など、健康被害防止に対する注意喚起を行っている。日本でも2006年8月、厚生労働省が注意喚起を行った。」
最後に・・・
このハーブがないからダメというのではなくて、ハーブには効能・効果がいろいろ混じり合っていますから、安心で安全で副作用が自分にとってないハーブを選ぶことができるはずです。
たとえばラベンダーなどの一般的なハーブについても、当たり前すぎて、もっと作用のあるものが欲しい、と思われる方もいるかもしれませんが、本当に優秀で万能のハーブなのでじっくりとつきあってみていただきたいと思います。
お読みいただきありがとうございました!