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肌質はあまりにひとそれぞれ
普通肌、敏感肌、乾燥肌、脂性肌などの分け方が一応ありますが、ほんとうはあまりにひとそれぞれの肌質です。
おおざっぱでもなんでもグループ(群)に分けて考えると、問題に対処しやすくなる(ような気がする)からなのですね。
でも、「完全に解決する」わけではありません。取り急ぎ、一応、とりあえず、です。
さらに、人生の転換期やライフステージによる変化のたびに人は肌質が変化します。またお肌の状態も日々変化します。
そのなかでも特に、年齢を重ねる毎に気になってくるのが、加齢による肌の変化ですね。まだそれほどではなくても、肌の歳を取りたくないと心配することもあるでしょう。
加齢による肌の変化も、持っている元々の肌質からの違いや、生活習慣の違い、お手入れの違いなどによって、もっともっとパーソナル(個人的な)ものになっていきます。
生まれつきの美肌
肌質は、千差万別です。「同じような感じ」の肌質はありますが、なんとか肌といってもみんな違うと言っていいくらい少しずつ違います。
きれいなお肌の方がいらっしゃいます。どういう基準でという難しいことはとりあえず置いておいて、パッと見て美しい肌。千差万別なのですから、うらやましいですが、持って生まれたものが大きいので生まれつきの美肌体質。
それは、それでとてもすてきで、すてきねえということで。
そうなろうとどんなにがんばっても、身長が変わらないのと同じで、同じようにはなりません(毛穴をつぶすとか、漂白するとかそういう施術的なことはここでは一応管轄外)。
肌質の一長一短
ただ、そういう美肌の方には、それなりに悩みがあるようで、例えば、シミが出やすい、疲れてくるとてきめんにお肌に疲れが出てしまう(顔色、肌つやが悪くなりやすい、クマが出やすいなど。普段がきれいだから落差が激し(く感じる))など、ご本人はそういう「欠点」ばかりに気が向いてしまい、あまりよい方に(美肌とは)とらえられていなかったりで、いろいろだなあと思ったりします。
これ以上、きれいにならなくてもいい、と思うくらいなのですがご本人は不満。。。
また、肌質で言えば、強い肌の方もいらっしゃって、強靱肌というか、ストレスや、普通だったら荒れてしまいそうな過酷な条件でも同じように元気なお肌をキープできる。
そういう方は、ほったらかしていてもそこそこ元気な状態のお肌なので、
「どの化粧品を使ってもおんなじなのよね〜」
「化粧品を使わなくてもぜんぜん平気なのよね〜」
と、スキンケアにあまり気を遣わない方も多いです。それでも元気なお肌。色つやは別としても、トラブルがない、別に肌で困っていることがない方々(状態)です。
わたしは生まれつき肌が弱く、敏感肌で荒れ肌なので、こういう強靱肌の方がうらやましかったでした。
肌質による加齢による変化
ところが、こういうとても便利でお得で美しい肌なのに、なぜか、強靱肌の方は、あるときにいきなりトラブルというか年齢に関係するなにか、が出来ることがあったり(いきなりあれよあれよという間に大きなシミが出現するとか)、加齢に伴っていままでなにもなかったのが一気に急激に悩みが出てきたりする場合があるのに気がつきました。
お肌自体がトラブルに見舞われることがいままでなかったので、とても大変なことのように感じられるようです。
それが、どういう原因なのかもいままでお肌に悩みなどなく、気にしてこなかった分、まったく心当たりもなく。
身体は(心もですが)ある一定のストレスにはなんとか耐えていくように「がんばり」モードがあります。あまりお肌にプラスにならないことをしていたりしても(生活習慣とか、化粧品とか、それは検討してみないとわかりません)がんばりの限界を超えてくるまでいまの状態を維持しようと奮闘努力してくれるのです。身体がいつも常にある健常な状態を保とうとする働きは、ホメオスタシス(恒常性)と呼ばれています。
そして、この働きを保つまでにがんばり続けることが可能な限界域、「閾値」があると、わたしは思っています。
ある一線を越え始めると「もうだめ」と不調を表出するようになります。肌のトラブルもこれに近い仕組みなのではないかと思ったりします。
ただ、強靱なお肌の場合は、この臨界点が高く、がんばりがかなりききますので、普通では考えられない状態を続けていても大丈夫なのです。
それが、加齢によって、臨界点(閾値)が下がります。がんばりがききにくくなる、弱くなるといった感じですが、普通に戻ってきたとも言えるかもしれません。
さらに、いままでがんばってきたがんばりの負のつけが少し返ってくるかもしれません。たとえば、人生でお酒をずっと飲み過ぎてきたせいで、歳を取ってから肝臓が弱くなった、みたいな感じでしょうか。
敏感肌の場合は、ずっと敏感でトラブルがちで、肌が悩みの種で、なにかあるとすぐに肌にでるような、いつも気にしていなくてはいけない「人生」だったので、歳をとってもまあ、同じような状態(強くない)が続いていく。シワもシミも出ますね、という。
いつも気にしている、ということは、いつもお肌の健康に気を使うのが人よりもちょっと多めで、といった意味でしょうか。
このなかには、食事(栄養)や睡眠、やストレスケアなど、ダイレクトな肌のお手入れ以外の領域もかなり含まれていると思います。
お肌のケアで言えば、たとえば、強いお肌の方の場合、お化粧を落とさなかったり、長時間濃いメイクをしていてもまったく肌に影響がない(ように見える)などがありますが(うらやましすぎ)、弱いお肌の方はそんなこととても怖くてできないかもしれませんから、必然的に、基本のスキンケアからあまりはずれることがないのですね。
弱点が結果的に良い方へころがったり(敏感肌の場合:弱い肌だから無理しないので、傷みにくく健康にしておくように習慣づいたとか)長所が悪い方へころがったり(先の元気肌の場合)とか、わからないものだなあと思います。
そうすると、結局、ちょうどいい肌質というところ、
そこそこのお肌、トラブルがなくて、ハリとツヤがあって、年相応に順調、元気、健康そうに見える、という「状態」にいつも自分の肌を近づけておく、その中間地点を思っておくということだと思います。
ウェルエイジングな肌をめざして
これから超高齢化の時代がやってきます。女優さんや人目につくお仕事の方や、セレブの方でしたら、ひたすら限りなくアンチエイジングのなにかしら秘策を重ね、施術を重ね、いつまでもなぜかずっと若いという状態を続けることが可能かもしれません。
が、一般の方が100歳を超えてなお、お若い状態が果たして自然かどうか、美しいかどうか、ではそれをいつごろやめるか、なども難しくて考えさせられます(これからは100歳時代を迎えます)。
自分ならではの美肌を獲得するために
敏感肌でも乾燥肌でも老化を意識し始めたお肌でも、見た目には美肌のパーフェクト肌でも、それなりにすべて利点と欠点、弱点と長所、いいことと悪いこと、得なことと損なこと、安心なことと気をつけた方がよいこと、の両面があるということです。
弱点克服に多大な労力とお金と時間をつぎ込むよりはむしろ、ひっくり返してみて、それがメリット、よい面に見えてきたら、あるいは別のもっと注目すべきチャームなポイントを発見して、そちらを磨くのがきれい、ウエルエイジングを維持・増進・進化させていく近道のように思えます。
敏感肌だったら、お肌に気をつけないとすぐにトラブルになってしまいますので、いつも食べるものにも睡眠にも、結局健康に気をつけるような生活になることが(強いられるにしても)多く、結果的にヘルシーライフにつながっていきます。
「養生訓」で有名な貝原益軒も「超」虚弱体質で、だからこそあのようなすごい健康の達人になったのだと言われています。
健康強靱肌質の方でしたら、元気なのでついお手入れを手抜きしがちになることも。そこから発生してくるくすみやざらつきに気をつけて、透明感のある美肌を作っていく(さらなる美も可能だということです)ための工夫をすることができますし、アンチエイジングのために更年期前からお手入れの習慣を作っていくなどができます。
また、日焼けなどによる老化(抗老化)に気をつけることも強靱肌の方は苦手なので、そういうことに気づくのも自分の肌質を知るメリットになります。
他人の肌質を見て、自分の肌質を知る
おわかりのように、これらは、みんな自分の肌質を熟知することから始まります。
「あのひとのあの美肌はうらやましすぎる」
から始まった肌質の探求が、一廻りして自分の肌質を探求することになっていきます。
自分の肌質を知って、弱点を知って、ひっくり返してよい方向へ持って行けるように、良かったと思えるような肌へ。
健康な肌質になるために(肌は臓器ですので、健康な臓器になるために)肌そのものを健康にするスキンケアをしてください。