ハンガリーウォーターとは
ハンガリーウォーター/ハンガリー水 / ハンガリー王妃の水 / ハンガリアンウォーター / オー・ドゥ・オングリ
いわゆるハンガリー水は、ハーブの化粧水として有名で、ハンガリー王妃の水という起源を持ち、霊水とも言われます。ローズマリーをアルコールと共に蒸留した蒸留酒、薬酒のこと。
ハーブウォーターとハーブティーの違い
ハーブウォーター(芳香蒸留水、フローラルウォーターとも言います)は(以下に詳しく書いていますが)ハーブを蒸らして蒸発してきた水蒸気を冷やして液体にしたものです。ハーブティーはお湯を注いだり(浸剤)、お湯で煮出したり(煎剤)したものです。
ハンガリー水について
ハンガリーの女王が77歳でポーランドのの王様に求婚されたという、そのハンガリーの女王様の美は、このハンガリー水によって保たれたという逸話です。
ハンガリー王妃の水(仏:eau de la reine de hongrie、英:the Queen of Hungary’s Water)
本当のところは、いつの話か、どの女王様か、ほんとの話かどうか(ハンガリーなのかどうかも含めて。だから全部ですね)は、どうも怪しいらしいのですが、それでもレシピが残っています。わたし個人としては、このレシピが重要なので、本当かどうかはあまり気にしないですが、「ハンガリーで生まれた」という前提で語られています。
「70歳を超えた高齢の王妃は、手足のしびれ(リューマチであったとされる)に苦しんでいた。それを治すために、修道士、錬金術師、もしくは廷臣が、ハンガリアンウォーターを献上した。これを外用した王妃はみるみる回復し、若返ったことから、ポーランド王に求婚され、ハンガリーとポーランドは一つの国になった。」というもの。
単純に言ってしまえば、ハンガリー水は、基本的には、ローズマリーウォーターのようなもので、ローズマリーをアルコールと共に蒸留した蒸留酒(リキュール)になります。だから、最初の頃には(いつだかわからない)薬酒のようなものだったと思われます。飲んでいたのですね。ヨーロッパにおけるアルコールベースの香水の起源のひとつといわれています。中世のヨーロッパでは、治療薬として、また香水として愛用されたそうです。
あるいは、
このなかの水蒸気蒸留法。
ハンガリー水は、ハーブ(ローズマリー)とアルコール(ウォッカ=度数が高い)を蒸して蒸発してできた蒸留水になります。が、これを何度か繰り返すらしく、大変手間がかかりさらに複雑なようです。
いろいろ調べてみたのですが、結局、蒸留酒「スピリッツ」(=醸造酒を使って蒸留して作ったお酒)を使ってローズマリーを漬けて、さらにそれを蒸留するというのを繰り返すようです。
要するに手間がかかりコストもかかり、よって、この方法では安価なハンガリーウォーターを作ることはできませんので、安価なハンガリーウォーターはその他の方法で作られていると思って間違いないでしょう。その他の方法とは、ローズマリーの葉をアルコールに漬けただけのチンキ剤や、アルコールや精製水のようなものにローズマリーの精油を少し混ぜただけのものなどです。
「四回蒸留した生命の水(アルコールのこと)を三、ローズマリーの枝先と花を二とせよ。これらを密閉容器に入れ、五〇時間、微温に保ち、その後、蒸留せよ。毎週一回、朝、この一ドラム(分量)を食物か飲物に入れ、服用すること。さらに、毎朝、あなたの顔と傷んだ脚をそれで洗うこと。」
「ハンガリアンウォーター(アルコールによる抽出液を含有)は寒さや湿度による頭の病、脳卒中、てんかん、めまい、だるさ、手足の障害、神経症、リウマチ、イライラ、ひきつけ、痴呆、昏睡、眠気、聴覚障害、耳鳴り、視力低下、血栓、感情の乱れによる頭痛に有効である。また歯痛を軽減させ、腹痛、肋膜炎、食欲不振、消化不良、肝臓病、脾臓病、腸の病気、子宮の収縮に有効である。また発熱にも効能があり高齢者であっても身体の機能を回復させる働きがある(といわれている)。こんなにもたくさんの効能のある治療薬は類を見ない。内服する際にはワインやウォッカに入れるか、こめかみや胸部に塗り鼻から吸い込むとよい。」
ハンガリー水(ハンガリーウォーター・ハンガリー王妃の水)の作り方(レシピ)
用意するもの:
ローズマリーの枝(葉)1カップくらい(200)、ミントの葉大さじ3程度、ローズウォーター1/2カップ、ウォッカ400cc、オレンジの皮(オレンジピール)1/2個分、ガラスの密閉容器、コーヒードリップの濾紙など、なるべく細かい漉すためのもの(布や紙)。
作り方:
7.冷蔵庫保存でなるべく早めに使います。季節によって使用できる期間が変わります。
先に書いた、蒸留法とは違います。漉しているだけです。ので、精製度というか純度というか、できたものはぜんぜん違うと思った方がいいと思いますが、雰囲気は味わえます。
このほかに、最初にちょっと書きましたが、このハンガリー水の作り方と言ってネットで出回っている簡易的なのがありますね。精油とエタノールやグリセリン、精製水などを加えて混ぜて作るもので蒸留していないものです。
水溶性の美容液と同じレベルですので、少量で潤い、お肌の質を改善していきます。