ハーブの利用法のなかでも、ハーブティーはとても理想的な利用法のひとつです。
だれでも手軽に簡単に作ることができる(ハーブにお湯を注ぐだけ)のはもちろんのこと、どこへでも場所を取らずに持ち運ぶこともできます(ドライハーブさえあればいいのです)。野点のコーヒーというのがありますが、野点のハーブティーもすっごくおいしいでしょうね。
ハーブティーはうがいにも利用できます。ティッシュや布をハーブティーに浸せば、皮膚の清浄、ちょっとした怪我や傷口の洗浄に使うことができます。入浴時にはハーブティーを不織布や布の袋やバッグにつめて口を縛ったものを湯船に入れて香りを楽しむこともできます。旅行先ではとても便利です。旅行バッグの詰め物としてもハーブはおすすめです。
自分でメープルシロップなどを足す場合は別にして、それ以上入っているものがない、防腐剤や添加物の心配がありません。着色料や香料などもいっさいなしのハーブ成分を体内に取り入れることができます。この自分で確認できる安心はいまではちょっと貴重な飲み物になっているかもしれないです。
ハーブティーは、とても穏やかにゆっくりと体内に吸収されます。
サプリメントのハーブなどでは、急激に大量のハーブを体内に取り込むことになってしまう場合があるのですが、ハーブティーではそういうことはありません。
ハーブティーに使うハーブは目に見える分量のみです。自分で、あるいは提供するひとが分量を適宜調整した分のみが使われるので、常にだれでも把握することができます。
安全で効果的な分量や、一般的な分量、あるいは、自分にとって適切な分量を加減しながら決めることができます。またこれは、体調や状態によって適当に変更することができるので、適切な摂取が可能です。
そのときどきに適切であろう分量を微妙に加減できるのは、当たり前のようですが、小さなからだのひとや大きなからだのひと、弱いからだのひと、強いからだのひと、年齢の違い、性別などによって違うという、人間のさまざまな差異を補うことができるということです。(薬やサプリメントは大人一回1錠などと簡単に書かれていますが、小さな人間であるわたしなどはどうしようかなあと思案してしまうことがあります)
さらに、驚くべき性質として、ある特定の症状のために作ったハーブティーでもうまくからだ全体に働きかけて全身的な状態をよくしようとします。これは、葉っぱや花・根・茎など全体を使用することによることや、ハーブの個々のバラエティー豊かな成分などによるものですが、みごとなホリスティック(全体的)効果だと思います。
なにか特定の(たとえば頭痛とか発熱など)症状をグッと抑え込むのではなくそれらにまつわるさまざまな状態をホメオスタシスにのっとって正常化して回復に向かわせようとするのです。
さらに、症状が変化していくたびに作用も変化していきます。回復期には回復期なりの作用をもたらし、回復期から脱してやがて健康期へ移行するときにもそれにふさわしい働きをしてくれます。
先にも書きましたが、取り入れる種類や分量も実際に微妙な調整が可能なので、さまざまなひとびとの健康状態を維持・管理していくことや、さらに予防という意味でも全身的なケアが期待できるすぐれた飲み物だと思います。