ただいまサイトのリニューアル作業中です。お見苦しいときがあるかと思います。どうぞご了承くださいませ。

わかりにくい植物(野菜:ナス科トウガラシ属相関図つき)(1):トウガラシとピーマンとパプリカの違い(その他のそっくりも)とお料理に効果的な使い方

ピーマン

いわゆる日本のピーマン

ピーマンとパプリカ

ピーマンに本来の緑色以外のカラーものが出回るようになり、パプリカと間違えやすくすごくややこしく、買うのにも使うのにもわかりにくいなあと思ったのが、この記事を書こうと思ったきっかけでした。

ピーマンとパプリカは違いますね。

ところが、いろいろわからないことなどを調べるうちに、品種がぞろぞろと出てきて、ししとうや唐辛子も加わり、ややこしさもさらにふくれあがってしまうのでした。

調べるほど、わかりにくさの奥深さが発見でき大変おもしろかったです。

が、同時に、正しいかどうかといった「違う説明」がネット上にもたくさんあることに気がつきました。

wikipediaでも調べを重ねていくと、あるところであやふやになっていったりしていました。
なので、この記事が絶対に正しい、もうこれです!というのではない、ほかの可能性があるかもしれない。
たとえば、辛いものがあるかもしれない、辛くないものがあるかもしれないなどの点についてもすべてを網羅していないと思いますので、ご了承ください。
分け方にもいろいろある「かもしれない」、風味もいろいろある「かもしれない」ことを前提に、ご参照いただけますようよろしくお願いします。

なお、違っているような記載がありましたら随時加筆・訂正していきますので、お知らせいただけましたら助かります。

わかりにくい植物

トウガラシは細っこくて小さい。パプリカとピーマンはなんとなく雰囲気で見分けがつきますが(パプリカは大きい、肉厚、ぼってりしている。ピーマンは小ぶり、パプリカよりは肉薄で細長いイメージ)どういうふうに違うのかという、決定的な違いがいまいちわかりにくいです。

スーパーなどでは、品名が出ていますので、これらがぜんぜんわからないということはほぼないと思うのですが、心のなかでなにかはっきりしないもやもやがあるのでした。

この野菜の違いがはっきりわかるようになってから、、料理でも使い方を間違えることもなくなって、効果的に使えるようになり、料理がおいしくなり、レシピもしっかりして、レパートリーも広がって、幸せに料理できるようになりました。

ハーブと野菜は近接していて仲良しといいますか、親戚のような親しみがあります。

薬効というか人間の身体に大変貢献してくれる植物ですから。

トウガラシは辛い、ピーマンは辛いですか?

ピーマンやパプリカを細くした感じが唐辛子です。
ピーマンもパプリカも唐辛子も姿形が似ています。
これらはみなナス科のトウガラシ属です。ピーマンとパプリカはトウガラシの栽培品種にあたります。
唐辛子は辛いです。
日本での呼び名としてはトウガラシ(ホットペッパー)。
しかし、ピーマンはわたしには辛いですが、辛い分類に入っていません。
アマトウガラシ(スイートペッパー)に入ります。シシトウ(シシトウガラシ、獅子唐辛子)もめちゃくちゃ辛いときがありますが、こちらはアマトウガラシ(甘唐辛子)の分類です。

当然、辛くないパプリカはアマトウガラシです。

トウガラシについて

・トウガラシ(唐辛子、蕃椒バンショウ、英名:Pepper):学名:Capsicum annuumナス科トウガラシ属 多年草、低木(日本など温帯では一年草)

トウガラシ

トウガラシ

トウガラシ(Capsicum annuum – Köhler–s Medizinal-Pflanzen-027.jpg wikipediaより

赤くなる前に収穫したトウガラシ=青唐辛子(緑ですけど) いろいろな種類:ししとう、万願寺とうがらし、伏見とうがらしなど

赤くなってから収穫したトウガラシ=赤唐辛子 鷹の爪、三鷹、ハラペーニョ、カイエン、ハバネロ、ポッド、タバスコ、テッピン、バーズ・アイ、ブート・ジョロキア、ブッチ・テイラー、トリニダード・スコーピオン、ナガ・ヴァイパーなどたくさんの品種がある

トウガラシは赤と青に分かれる。これは色が違うからではなくて、赤くなる前に収穫したから青と呼ぶわけなので、ざっくりと青は未成熟と覚えておきます。

で、辛みというのは見るからにですが、赤くなっていくと増していきます。ので、青い方は未成熟なので「そんなには」辛くない、というヒントを加えて覚えておきます。もちろん例外があるので、あくまでも目安=ヒント程度です。

そうすると、どうなるかというと、赤いトウガラシ系は香辛料に使用しましょう。そして、青いトウガラシ系(緑ですが)はお料理の材料(調理)に使用しましょう。という分け方ができます。。

さらにこんどは反対の現象ですが、赤いトウガラシ系を加熱すると辛さが増します。青いトウガラシ系を加熱すると辛さがやわらぎます。

ピーマンについて

・ピーマン:学名:Capsicum annuumL. ‘grossum’ ナス科トウガラシ属、一年草

パプリカは1993年に輸入が解禁されたので、それ以前には日本になかった野菜で、ほんのりハイカラなイメージがあります。子どもが嫌いな野菜にトップランクされる苦みが特徴です。

青いピーマンは加熱すると苦みがやわらぎますので、炒め物や煮物っぽい料理に使うと苦手な人にも食べやすくなります。青いピーマンはなんでも加熱していけばセーフ。ただし、ビタミンCをたくさん含むので加熱すると少なくなってしまうのがちょっと。

ビタミン成分は緑色のときよりも熟して赤や黄色になったときの方が増加する(同じね値段だったらこっちの方がお得かも)。また、フラボノイドが含まれており、これがビタミンCの熱による破壊を軽減していると考えられているそうです。このため、レモンよりも遥かに多くのビタミンCの摂取が可能であるそうです。

ピーマン(パプリカも同様)は低温障害に遭いやすいので、7~8度くらいのいわゆる野菜室がお好みです。低温障害は、経験された方も多いと思いますが、買ってくるときにはピンと張ってつやつやしていたのが、買ってきて冷蔵庫に入れたとたんに皮がふやふやとシワが寄って色つやがなくなってしまった状態です。密閉しないで野菜室か冷暗所保存です。(一部wikipediaより)

ピーマンはビタミンCとカロテンのほかに(このふたつはパプリカの方が多い)ピラジンという成分が含まれています。ピラジンは血液をさらさらにする(血液凝固や血栓を防ぐ)効果があるといわれ、脳血栓の予防や心筋梗塞の予防も期待されます。

ピーマンのビタミンCはパプリカと同様に加熱にも壊れにくい特徴があるので、やはり加熱に向いています。

ピーマン:昔は緑だけだったのが、最近は「カラーピーマン」といって赤や橙、黄色などもある。のでわかりにくさに拍車がかかっている。色は未成熟なものが青、黄色、橙、赤と変化する(未成熟で白色や、黒色(濃い紫色)、紫色のものもある)。色が赤になるにつれてあのピーマン独特の苦みは減っていく。

カラーピーマンはピーマン

カラーピーマンはまるで小さめのパプリカのようなおそろいレベルですが、でも、ピーマンと心得ておいた方がいいと思います。
緑色のピーマンの成熟が進むとカラーピーマンになります。
これは、カラーピーマンの黄色や橙や赤などが思ったより甘くない(パプリカみたいじゃない!)というのに近いですが、それよりもパプリカがさらに品種改良したものなので、パプリカには甘さジューシーさは太刀打ちできない、ピーマン寄りのものであるという感じです。
あくまでも相対的なピーマンの品種の分け方なので、例外も出てくると思います。
さらに、ややこしことに、ここらへんの隙間にピーマンなのにすごく甘いという品種が出てきました。「アナスタシア」という品種。別名、フルーツピーマン。ロシアの植物資源研究所で、野菜本来の機能を高めるために開発されたニューフェイスのピーマン。甘くておいしいので生食(サラダ)におすすめです。赤色、黄色、橙色、黒色(紫色)など様々な色のものがあり、さらに、あ〜ややこしいことに緑もあります。

パプリカについて

・パプリカ 学名:Capsicum annuum‘grossum’ ナス科トウガラシ属多年草
ビタミン様物質のビタミンPを含みます。ビタミンPはビタミンCを壊れにくくし、またその抗酸化作用の性質を高める効果をもつため、加熱調理してもビタミンCが失われにくい特質を持っています。(一部wikipediaより)
なんとなく苦いピーマンの方が栄養がありそうな感じがしますが、実はパプリカの方が栄養価が倍くらい高いそうです。そういえば、大きさだけかと思いましたが、お値段がパプリカの方がお高いですね。

パプリカのビタミンCとカロテンの含有量は多いので、結果的にパプリカは強い抗酸化力のある野菜ということができます。美の味方はパプリカになります。動脈硬化、糖尿病、ガンなどの予防のほか、美肌、抗老化、皮膚や目などの粘膜の健康によいと言えるでしょう。

パプリカの色で味や栄養が違う?

黄:美肌に☆甘みと酸味のバランスがよい
ビタミンCが言わずもがなの美肌ビタミン、抗酸化、シミ・ソバカス防止美白効果などが期待できます。また肌の老化を防ぐといわれるルテインも豊富です。
オレンジ:老化防止に☆甘みが強い⇨子どもに人気がある
やはりビタミンCが含まれていて、上記の作用が期待でき、β-カロテンや「若返りのビタミン」といわれるビタミンEが含まれ抗老化にもよいらしいなど、赤と黄色、両方の成分を含んでいるお得なパプリカ。緑ピーマンの3倍のビタミンC量、β-カロテンは約20倍量!
赤:冷えと疲れに☆どちらかというと苦みがある⇨女性に人気がある
赤い色素はカプサイシンと呼ばれ、赤いトウガラシにも含まれます。抗酸化物質で知られているβ-カロテンよりもさらに抗酸化作用があるといわれます。抗コレステロール(コレステロールを除去する)効果、動脈硬化、心筋梗塞などの予防効果によいといわれています。新陳代謝にも貢献するので、冷え性や疲れなどの疲労回復にもおすすめです。赤なのですが、甘みが一番強くてビタミンCも緑ピーマンの2倍量。
パプリカ

パプリカ

パプリカ:という呼び名は香辛料でもいいます。ビタミンCが加熱しても壊れにくい性質がある(一緒に含まれているビタミンPがビタミンCを酸化や熱から守る働きがあるため)のと、油と相性が良い(パプリカに含まれているβ-カロテンは、油と共に調理するとその栄養を効率よく摂ることができるため)のと、加熱すると甘みが出るので、炒めるなどの加熱調理におすすめです。

ピーマンとパプリカを区別する方法

ピーマン

ピーマン

いわゆる日本のピーマン

日本ではピーマンは小ぶり、上の写真でもおわかりのように格好がなんとなくひしゃげている感じです。これは肉厚なパプリカがでっぷりしているのと反対に肉が薄いので形がひしゃげやすいため。

ピーマンはあのピーマン独特の香りと強い風味(苦みといいますね)、人によっては辛いと感じます。パプリカはほの甘く肉厚のジューシーな風味です。これは見分け方のひとつ。

次に、色で分けられるかどうかですが、無理です、色での区別はできません。
パプリカはピーマンよりも中の空洞の小部屋が3〜4つにきれいに仕切られている。
さらに姿形が肉厚で大きく、きれいなベル型(ピーマンはパプリカほどでもないベル型)。
ピーマンとパプリカの中間くらいに「ジャンボピーマン」(ジャンピー)という品種もあります。

このほか、小型のカラーピーマン、トマトピーマン(トマトに似た形)、くさび型ピーマン(くさびのような形のカラーピーマン。シシトウに似ている)などがあるようですが、詳しくはないのであるようだということだけ。

神奈川県農業企画経営部:webnews14号 カラーピーマンにもスリム化の波? くさび形カラーピーマン

香辛料(スパイス)のパプリカ

さて、ここからまたまぎらわしいパプリカの話になります。パプリカは上記のような野菜のパプリカの他に、香辛料、いわゆるスパイスの売り場にもパプリカというものが存在します。粉状です。

パプリカパウダー

パプリカパウダー

 

香辛料(スパイス)のパプリカ(英Paprika):ナス科トウガラシ属 利用部位は果実(野菜と一緒です)、別名:ハンガリアンペッパー、スパニッシュペッパー、ピメントン、甘唐辛子

この香辛料(スパイス)のパプリカは違うものです。野菜の方は全然辛くないかまたはほとんど辛くありません。ただし、パプリカと言えば、香辛料の部類に入ります。ナス科の多年草、トウガラシ属トウガラシの品種です(上述)。
香辛料のパプリカは、甘唐辛子を粉末にしたもので、本来は辛いスパイスです。が、日本では、けっこういくら振りかけても辛くない、むしろほんのりと甘さを感じるくらいです。鮮やかな赤と対照的です。料理に彩りと風味を添えてくれますが、これは日本ならではの、辛くないタイプのパプリカスパイスです。野菜のパプリカとは別の品種のパプリカの乾燥粉(パプリカパウダー)です。
だから、レストランや知らない場所でパプリカを振りかけるときや、お料理にかかっているときにはちょっと気をつけた方がいいかもしれません。東欧などでは、辛みのあるパプリカがあるそうです。

お料理使いのヒント:料理の仕上げに、辛みがないので気軽にかけて風味を出すことができます。特に肉の煮込み料理やお米料理、野菜料理の風味付けに向いています。

ポテトサラダの最後の仕上げにちょっと振りかけるのがありますね。あれは彩りもありますが、ほわっと甘い香りが立ち上がっておいしそうになりますのでおすすめです。

また、グラタンやドリアなどの仕上げにも振りかけてあるのを見たことがあるかもしれません。これらも同じで、熱々の湯気と一緒に風味が立ちます。

ナス科トウガラシ属相関図

ナス科トウガラシ属相関図

ナス科トウガラシ属相関図

補足:

ハバネロという猛烈に辛いトウガラシの一種(トウガラシ属)があります。(英:Habanero chilli、西:chile habanero、学名:Capsicum chinense)

ハバネロ

以下、wikipedia より
シネンセ種の品種の一つ。実の大きさは2 – 6センチメートル。名称はハバナにちなみ、スペイン語では”H”を発音しないためチレ・アバネロとなる。ハバネロの熟す前の実は緑色だが、熟すると様々な色に変わる。最も一般的なのはオレンジ色だが、白、ブラウン、ピンクなどもみられる。
Contens