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見分けにくい植物(1):フェンネルとディルはそっくり!フェンネルとディルの違い(味・香り・見分け方など詳説)

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フェンネル

これはフェンネルでしょうか、ディルでしょうか、難しいですね。答えは一番最後に載せています。

フェンネルとディルはそっくり

フェンネルとディルはそっくりです。育てていても、途中でわからなくなります。苗を購入したら(種からでも)まず、名札を立てておくのをおすすめします。
フェンネルは、ハラハラした感じの葉っぱ群(葉っぱの間隔がなんとなく広めで、たとえばつくしの親のすぎなに似ている)で、ディルの方が密集度が高く、もさもさした感じで繊細(葉っぱが細い)です。が、これはふたつを並べて育ててみたときの「ふ〜ん、違うのね」というものなので、ひと種類だけを育てていると、どう違うのかずっとわからなくて、けっこうイライラしたりします。特に、信頼できる園芸店などで購入したのだったら、名札もそれなりに学名などもついていれば、かなり信憑性があるのですが、ホームセンター苗やスーパー苗などできちんとした名札がなかったりすると、信頼性ががくんと低くなり、判別も難しい場合が出てきます。

葉っぱに関しては、先の方、勢いよく出てきているところ(芽に近いところ)だと、見た目もうぜんぜん違いがわからない場合があります。下のホタテのカルパッチョの写真では、ディルでもだいぶ場所によって葉っぱの感じが違うのがおわかりいただけるかと思います。

フェンネルとディルの写真を提供していただいたのと、このブログでお料理をご紹介してくれている、 H(イタリアンの料理人、お菓子職人)さんに、フェンネルとディルについてお話を伺いました。

chamomi:フェンネルとディル、見分けられます?けっこう難しいですよね?
H:難しいですね、自分で植えたのだったらわかりますけど、難しいです。
chamomi:根元に大きな白いのがありますよね?あれがフェンネル。。。
H:そそ、あれ、根元のは若いうちにセロリみたいに食べられる。育つにつれて、右・左・右・左 と茎が交互に生まれてタケノコのような雰囲気ならフェンネルという感じでしょうか。わたしの経験では、ディルにはそういう根元にかたまりはできませんでしたね〜。ディルの茎は、本当に雑草のような普通で、か弱い感じですね。このふたつは、花もそっくりですよね。
chamomi:球根も食べられる。見分け方、ほかにあります?
H:見分け方〜。。。香りがね、乾燥させて香りが強い(とくに種ができてからの時期)のがフェンネル。フェンネルは、辛いくらい(いっぱい陰干ししていた)香りがして頭痛になりそうでした! ディルは、全然で鼻歌が出る余裕がある感じの香りでした。
H:おまけですが、ディルの種の写真です。フェンネルそっくりです。
chamomi:あ〜、ありがとうございます。ディルの種ってみたことなかったかも、てフェンネルですね、ほぼ。ちょっとこっちの方が丸い。米粒サイズね。フェンネルの種は甘い。チャイと安中散に入っている。。。

H:。。。

フェンネルの種

ディルの種

 

フェンネルとディルはともにセリ科だけど、属が違う

フェンネルはセリ科ウイキョウ属。スィートフェンネル、フローレンスフェンネルが一般的。雑草のようにそこらへんに生えている可能性が高いのは、ワイルドフェンネル。
ディル(イノンド:ディルは英名)はセリ科イノンド属(Anethum) に属する唯一の種。

フェンネルは多年草、ディルは一年草

フェンネルもディルも、根が直根性で、まっすぐに深くずんずん伸びていくので、移植を嫌います。ので、その場所で育てるしかないので、最初に根が深く伸びることができるように耕しておきましょう。
でもね、ディルは一年草です。花が終わったらほぼ終わりです。ハーブのくせにわりと水が好きです。肥料も好きです。

一方、フェンネルは、多年草ですので、植えてその場所が気に入って、お手入れが気に入ってくれれば、年を越すごとにずんずん大きくたくましくなり、育て甲斐があります。冬に地上部が枯れますが、根が生きています。春に芽が出て(来るでしょう)ひとまわりたくましくなっている(と思います)。水は控えめに。アルカリ土壌。

フェンネル。夏にいったん全部切ってしまったのですが、そのあともうチロチロ小さい目が出て来ました´◡` by 萩原

 

フェンネルには「鱗茎」がある

フェンネルには、(以下にも書きましたが)大きく育ってくると(1メートル以上になる大きなハーブ)「鱗茎」と呼ばれる、大きなタマネギのような株が根元にできます。そこからうねうねと横へ横へ茎が伸びていきます。

 

フェンネルの株元。これも食べられます。

フェンネルは、大きくなる

フェンネルは、1メートル以上になる大型のハーブです。ディルは大きくなっても60センチくらいまで。途中だったら、わかりませんになってしまうのと、交雑するので、このふた種類は近所に植えないようにしましょう。

フェンネルは甘く苦く薬っぽい

香りと風味も少し違います。先っぽの少しだけだと、やはりわかりにくいのと、ひとつの種類(フェンネルならフェンネルだけ、ディルならディルだけ)しか味わえない場合が難しいのですが、
香りと味、ともに強めなのがフェンネルです。薬臭いといった方がいいような芳香の強さがあります。生だったらちょっと揉んでみると香りが立ちます。フェンネルは、噛むと強めの薬っぽい味わいに(これも先端部だと優しい感じなのでわかりにくい)甘みと苦みがあります。もさもさしています。
ディルは、フェンネルをおとなしくした感じで、草っぽい香りがあります。さわやか〜な感じがします。かみ切るときにしっとりした感じがします。

フェンネルとディルは葉っぱの密集具合が違う

さきにも書きましたが、フェンネルはハラハラと糸状の葉っぱたちの感覚が気持ち広い。ディルはもさもさと密集していて、向こうが見えない感じのところが何カ所かできたりする。

フェンネルとディルは葉っぱの色が微妙に違うような気がする

よく見てみると、フェンネルの葉は黄緑色系、ディルは青緑色系のような気がします。イメージ的な絵ですが、こんな感じのような気がします。でも、場所によってやはり違うかもしれないので、一概にそうとは言えないかもしれないが傾向として。

フェンネルな色・ディルな色

補足:フェンネルとディルに似ているような気がするもの:アスパラ、金魚の水槽に入れる草のガボンバ。

アスパラと葉、フェンネル似

アスパラと葉、フェンネル似。

フェンネル photo by Miyuki Hagiwara

フェンネル photo by Miyuki Hagiwara

フェンネル

フェンネル

フェンネルと木の実パスタ:上に乗ってるのがフェンネル photo:Miyuki Hagiwara

フェンネルと木の実パスタ:上に乗ってるのがフェンネル photo by Miyuki Hagiwara

一方、

ディルはこんな感じ。こちらの方が全体的に繊細な印象。

ディル

ディル

ディル

ディル photo by Miyuki Hagiwara

ホタテのカルパッチョ

ホタテのカルパッチョ:上に乗っているのがディル  photo by Miyuki Hagiwara

 

ハーバルクッキング:ホタテのカルパッチョ
ディル

ディル

 

フェンネル:Foeniculum vulgare セリ科ウイキョウ属多年草 やわらかくてふわふわの部分が出てきたら、やわらかいうちにどんどんいただきましょう、というのは、葉のことです。葉の大人の固いところは(当たり前ですが)食べても固くて筋っぽいので、焼き魚などやスープに使いましょう。
フェンネルは、葉と根のような(タマネギのようなところ)鱗茎と呼ばれる葉茎の根元の太ったところは、香味野菜として煮物やスープなどに使います。葉っぱと茎は生食できます。また、種は乾かして、ハーブティーにします。また、インド料理 の口直しにも使われます。砂糖でコーティングしてあったり(ソーンフ)、おやつのように出てきたりします。
和名はウイキョウ。セリ科の多年草で、やわらかい葉っぱがおいしいのでつい育てたく なりますが、やたら背が伸びて、収拾がつかなくなりますので気をつけた方がいいです。虫もつきやすく、イモムシ(アオムシ)もケムシも大好きです。また、 種が欲しいからといってずっと花の咲くのをまっていると、葉っぱが固くなり、そしてさらに背丈が伸びます。ディルより香りが強いと思います。
効能は、歯痛、便秘、解毒、利尿、生理不順、関節痛、ダイエット効果(といわれます)、消化促進や、健胃作用にすぐれています。

フェンネルをイメージする方法:太田漢方胃腸薬、太田胃散、漢方薬の安中散、仁丹。これらには生薬として、この茴香(ウイキョウ)が使われています。

ディル(イノンド):Anethum graveolens セリ科イノンド属(カワラボウフウ属)一年草。糸のような髪の毛のような細い柔らかい葉っぱが特徴的。別名が多い。Aneto [アネト](伊)、Aneth [アネット](仏)、Dill weed [ディルウィード](英)、蒔羅 [シールオ]、土茴香 [トゥホイシャン](中)、パクチーラオ(泰)、イノンド(和)、姫茴香(ひめういきょう)。
魚料理に合うほか、サラダやスープ、バターやチーズ、ヨーグルトのトッピングにもよく合 います。さわやかな香りのなかにほのかに苦味もあります。ビタミンA、B1、B2、B3、B5、B6、葉酸、C、 またカルシウム、鉄分、マグネシウム、マンガン、ポタシウム、リン、亜鉛などのミネラルが豊富に含まれています。種子は神経をおだやかにするといわれ、安眠、健胃整腸作用、頭痛、口臭の除去、動脈硬化予防などによいといわれています。
同じくセリ科のフェンネルとうり二つで、見た目はほとんど同じですが、噛むとフェンネルの方がさわやかさが強く甘みがあります。わたしはディルの方が総じてなよなよっとしている気がします。フェンネルの方が葉っぱが太い(だいたいです。上にも書いたように、先っぽのところや細かい部分だと細いところがあります。繊細さではディル)。
・冒頭の写真は、フェンネルです。

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